米当局者は先週、ジョー・バイデン米大統領が3月12日に承認したウクライナへの3億ドルの軍事支援策の一環として、ワシントンが秘密裏に長距離ミサイルをキエフに輸送したと述べた。
ロシアのミサイル発射装置が発射される。写真:TASS
射程距離最大300キロメートルのATACMSミサイルの配備の是非は、バイデン政権内で数ヶ月にわたり議論されてきた。米国は昨年9月にもウクライナに中距離ATACMSミサイルを供与している。
ロシア国防省は、 ATACMSミサイル6発が撃墜されたと発表した。クリミア半島のセルゲイ・アクショーノフ首長も、ロシアが2014年にウクライナから併合した同半島でATACMSミサイルが撃墜されたことを確認した。
ロシア国防省は「ウクライナの無人機10機、米国製のATACMS戦術ミサイル6発、フランス製の『ハンマー』誘導爆弾2発が防空部隊によって撃墜された」と発表した。
旧ソ連空軍に所属していたロシア国会議員レオニード・イブレフ氏は、ウクライナが12機のATACMSでクリミア半島の空軍基地を攻撃したと述べ、来週のウラジーミル・プーチン大統領の新任期就任を前に攻撃が激化する可能性があると付け加えた。
「彼らの標的は飛行場だった。ミサイルは防空軍によって破壊された」とイヴレフ氏はRIA通信に語った。ウクライナはクリミア上空の防空軍の防衛網を突破し、戦略的に重要な施設を攻撃しようとしていたと彼は述べた。
イブレフ氏は「5月の連休やロシア大統領の就任式が近づくにつれ、半島への新たな攻撃の試みが起きる可能性が高いと思う」と語った。
一方、前線の反対側では、ロシアがウクライナへの空爆を強化している。月曜日には、黒海に面したウクライナの港湾都市オデッサを狙ったミサイル攻撃が行われ、住民とインフラに甚大な被害が生じた。
ウクライナ海軍報道官ドミトロ・プレテンチューク氏は軍事テレグラムチャンネルへの投稿で、攻撃はクラスター弾頭を搭載したイスカンデルM弾道ミサイルによって実行されたと述べた。
オデッサは、特に港湾インフラがロシアのミサイルやドローン攻撃の頻繁な標的となっている。
米当局者はワシントンでロイター通信に対し、ATACMSミサイルは4月17日未明に初めて使用され、ウクライナの前線から約165キロ(100マイル)離れたクリミア半島のロシア飛行場を標的としたと語った。
国防総省は当初、米国の備蓄からこのミサイルが失われれば米軍の戦闘即応態勢に影響を及ぼすとの懸念から、長距離ミサイルの配備に反対していた。
また、ウクライナがこれらのミサイルをロシア国内奥深くの標的への攻撃に使うのではないかとの懸念もあり、そうなれば戦争がロシアと米国の直接対決へとエスカレートする恐れもある。
ホアン・アイン(タス通信、RIA、ロイター通信による)
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