同時に、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イスラエルの軍事行動がガザ地区における人道活動を妨げていると述べた。
イスラエル、ハマス、パレスチナ、米国、ロシアは、ガザ地区への人道支援に関する国連安全保障理事会決議に対し、それぞれ異なる反応を示している。(出典:ロイター) |
12月22日、イスラエルのギラド・エルダン国連大使は、国連安全保障理事会(安保理)がガザ地区への人道支援に関する決議を採択したことを受け、安保理を批判した。 エルダン大使は、「国連がガザ地区への支援メカニズムに焦点を当てるのは不必要であり、現実離れしている。イスラエルは必要な規模の支援の提供を認めている。国連は人質の人道危機に焦点を当てるべきだ」と述べた。
同氏はまた、国連安全保障理事会の決議の交渉においてイスラエルを強力に支援した米国に対し謝意を示し、同決議はガザへの援助物資の配送を評価する上でイスラエルの安全保障上の権利を擁護するものだとした。
一方、パレスチナ自治政府(PA)は、この決議を「 軍事行動の終結、救援物資の受領の確保、そしてパレスチナの人々を守るための正しい方向への一歩」と呼んだ。
一方、ハマスは、国連決議は地域住民のニーズを満たすには「不十分」だと述べた。「過去5日間、米政権は決議の本質を削ぎ落とし、この弱々しい表現で決議を採択しようとしてきた…これは、無防備なパレスチナの人々に対するイスラエルの軍事行動を阻止するという国際社会と国連総会の意志に挑戦するものだ」とハマスは声明で述べた。
同日、国連安全保障理事会はアラブ首長国連邦(UAE)の提案による決議2720を、賛成13票、米国とロシアの棄権2票で採択した。この決議は、関係各国に対し、国際人道法を含む国際法上の義務を遵守すること、ガザ地区のパレスチナ民間人への緊急かつ安全で支障のない直接人道支援の提供を強化すること、そして人質を即時かつ無条件で解放することを求めている。
同時に、決議は、紛争に関与していない国々を通じてガザへの人道援助を迅速に届けるための国連メカニズムを「迅速に」設立し、同時にこの地域の人々に援助が確実に届くようにすることを求めた。
注目すべきは、今回の投票において、米国は決議を支持しなかったものの、拒否権を行使しなかった点である。投票後、リンダ・トーマス=グリーンフィールド米国国連大使は、紛争勃発以来、ワシントンは人道危機の緩和、ガザへの救援物資の供給促進、人質救出、そして恒久的な平和構築に向けた無実の民間人と人道支援活動従事者の保護促進に貢献しようと努めてきたと強調した。しかしながら、同大使は、国連安保理決議が10月7日のハマスによる攻撃を批判しなかったことを引き続き遺憾に思うと述べた。
一方、ロシアのワシリー・A・ネベンジャ大使は、この「全く無害な」決議を採択することで、安全保障理事会はイスラエル国防軍(IDF)にガザ地区での現在の軍事作戦を継続する完全な権限を与えることになると述べた。
関連ニュースとして、同日、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イスラエルによるガザ地区への攻撃が、ガザ地区内での人道支援物資の分配に大きな障害を引き起こしていると述べた。
彼は、ガザ地区における人道支援活動の効果を、エジプト国境を越えて援助物資を輸送することを許可されたトラックの数で判断するのは誤りだと述べた。「イスラエルの今回の攻撃方法は、ガザ地区内での人道支援物資の配布に大きな障害をもたらしている」と彼は述べた。
グテーレス事務総長は、ガザ地区における効果的な援助活動には、治安の確保、人道支援従事者が安全な環境で活動できる能力、物流能力、そして商業活動の継続が不可欠であると強調した。しかし、国連事務総長によれば、これら4つの要素は現在ガザ地区には存在しないという。
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