1700年代以降大西洋では絶滅したと考えられていたコククジラが、米国マサチューセッツ州ナンタケット島付近に突然現れた。
3月1日、大西洋のナンタケット島付近の海域を泳ぐコククジラ。写真:ニューイングランド水族館
太平洋では繁栄しているにもかかわらず、コククジラは1700年代以降、大西洋では姿を消している。しかし、ニューイングランド水族館の航空調査チームが3月1日、マサチューセッツ州ナンタケット島沖でコククジラを発見し、潜水と浮上を繰り返す様子を撮影したと、ニューズウィーク誌は3月5日に報じた。水族館によると、昨年末にフロリダでもこのコククジラが目撃されている可能性があるという。
コククジラが大西洋に回帰する兆候を見せているのは、気候変動が原因かもしれません。3月1日に目撃されたこのクジラは、北極海を通って太平洋と大西洋を結ぶ北西航路を通過した可能性があります。地球温暖化により、北西航路は夏の間は氷が解け、コククジラが自由に大西洋へ泳ぎ出せるようになりました。
「今回の発見は調査の重要性を浮き彫りにしています。ザトウクジラ、セミクジラ、ナガスクジラの出現を期待していましたが、海は動的な生態系であり、何が見つかるかは予測できません。大西洋にコククジラがいることは、海洋生物が機会さえあればいかに迅速に気候変動に対応できるかを示しています」と、ニューイングランド水族館アンダーソン・キャボット海洋生物センターの科学者オーラ・オブライエン氏は述べた。
海水温の上昇は、気象専門家を様々な問題に懸念させています。嵐の激化、サンゴ礁の破壊、海氷の融解などです。気候変動はコククジラ以外のクジラにも大きな影響を与えています。例えば、IUCNレッドリストで絶滅危惧種に指定されているタイセイヨウセミクジラは、温暖化による食糧不足で体長が縮小しています。
トゥー・タオ(ニューズウィークによる)
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