日々の生活が退屈だと感じるたびに、都会の喧騒から逃れられる場所を選ぶことがよくあります。サパはその選択肢の一つで、遠すぎず近すぎず、理想的な「シェルター」です。しかし、新年早々、この国北西部のリゾートタウン、サパに足を踏み入れた今回の旅は、これまでとは全く異なるものでした。
サパはラオカイ市から38km離れた高原の町です。現在はハノイからハノイ・ラオカイ高速道路を経由して観光バスが運行しており、所要時間は半分に短縮されていますが、私はやはり鉄道の方が好きです。一晩寝て、サパの町に到着した時は、すっかりリフレッシュしていました。
毎年訪れていますが、サパは毎回違った感動と興味深い体験をもたらしてくれます。サパの霧雨と黄金色の段々畑が心に刻まれているなら、年明けの数日は、通り過ぎるものすべてを覆い尽くす漂う霧の中に、自由に浸ることができます。
先ほどまで陽光に照らされていた中心部の石造りの教会は、ほとんど姿を消し、雲が点在する陽光の中に突然姿を現した。寒さの中で揺らめくように咲いていたハムロン山頂の桜は、緑豊かな森の中で陽光を浴びて咲き誇り、色鮮やかな春の情景を目の前に描き出した。まるで仙境で見たかのようだった。さもなければ、私はサパの素晴らしいものに魅了されていたのだろう。
この季節は、寒さにも負けず、色とりどりの桃色の蕾と、純白の梅の花が咲き始めました。前夜の枝にまだ残る露が、花の美しさを一層清らかに彩っています。春は新たな生命の季節であり、陽光が生命力に満ちた新年の到来を告げる季節です。
春の朝、空高く舞い上がる花々を眺めながら、若い男たちの音楽と先住民の少女たちの素朴な歌声に耳を傾ける以上に素晴らしいことはありません。かつての恋市場は、サパの生活が日々発展し近代化していく中で、もはやその姿をそのまま残してはいません。しかし、若いカップルたちは、何世代にもわたって受け継がれてきた民族の伝統に従い、春に出会い、愛を育みます。
ヘリテージマガジン
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