福岡で開催された2024年祖国春まつりでは、子どもたち、その家族、そしてアーティストたちがベトナムの地図作りに参加しました。(出典:TLSベトナム in 福岡) |
日本の南西部一帯が紅葉の季節に私を迎え入れ、福岡市はチューリップと菊で明るく彩られていました。空港から事務所までの車中で、私は言葉では言い表せないほどの感情に駆られました。大きな責任を感じ、興奮と不安が入り混じっていましたが、私の一歩一歩、言葉、行動計画の一つ一つが祖国のイメージと威信を担っていることを実感しました。
福岡は「日本一住みやすい都市」として知られ、九州地方は日本文化の発祥地です。港町であり、西日本への玄関口であり、九州地方の中心都市でもある福岡は、穏やかな生活、静かでフレンドリーで活気のある人々で溢れています。また、福岡には九州最大のベトナム人コミュニティがあり、2万5千人以上が生活・学んでいます。
私は就業期間をスタートさせました。これは単なる就業期間ではありません。私と代理店は、この数ヶ月間、愛着、連帯、献身、そして成熟を共に過ごしてきました。私たちは、ベトナムと日本の関係を深め、日本中のベトナム人コミュニティを結びつけ、故郷を遠く離れた人々の心に祖国への愛を育むことに貢献するために、私たちが歩む一歩一歩を誇りに思っています。
初期の頃から永続的な信仰まで
最初の1ヶ月、私と代理店スタッフは九州・沖縄地方の約10のベトナム協会を訪問し、面会、活動を行いました。一つ一つの握手や日々の会話から、人々の祖国への愛情を強く感じました。一人ひとりの顔には、生計を立てること、将来の夢、そして祖国への郷愁といった、多くの物語が刻まれていました。
教授、医師、学生、エンジニア、そして熟練労働者の方々から、素朴で真摯な信頼の言葉を聞いて、私は心を打たれました。皆、とても若く、未来への信念に目を輝かせていました。彼ら自身が私に新たな活力を与え、たゆまぬ努力の原動力となりました。そして、ただ一つの願いがありました。「総領事館という共通の家が、在外ベトナム人にとって真に支えとなり、ベトナムと日本を結ぶ頼もしい架け橋となること」。
ヴー・チ・マイ総領事がワークショップで講演。(出典:TLSベトナム福岡支部) |
総領事館の同僚たちと私は、ここにいるベトナム人コミュニティが輝かしい歴史の1ページを刻み、ベトナム人のイメージと名が尊重され、栄誉を与えられるよう、尽力することを決意しています。仕事のあらゆる機会に州知事や各省の指導者の方々とお会いするたびに、私は必ず「知的で勤勉、そして人道的で、ベトナムとの人材交流や学生交流の拡大を望んでいる」というベトナム人コミュニティへの共感と尊敬の念をいただきます。これは単なるお世辞ではなく、実際に在日ベトナム人は日本の経済・文化発展に多大な貢献をしてきました。「腐ったリンゴは樽を腐らせる」という表現は、まだどこかに存在しますが、こうした「腐ったリンゴ」が、地域社会や日本で働き、暮らす国際的な友人たちの心の中で、ベトナム人の地位を覆い隠すことはできません。
外交の架け橋
過去3年間、「信頼・効率・持続」をスローガンに掲げ、総領事館はわずか5名ながらも、 政治、経済、文化外交活動の推進に昼夜を問わず尽力し、福岡県政府、九州・沖縄地方、中部・南部地域との協力拡大に尽力し、多くの二国間投資・貿易プロジェクトの推進、ベトナムと日本の企業同士のパートナー探しの支援を行ってきました。2年6ヶ月間で、総領事館はベトナムから九州・沖縄地方、中部・南部地域まで、3つのハイレベル代表団を含む、100を超える各レベルの実務代表団の招聘と組織化を支援してきました。
総領事館は、投資、貿易、文化、観光を促進するため40以上のイベントを開催し、同時に半導体、再生生物学、農業、環境、浄水などの分野での高度な技術移転を推進し、ベトナムの博士課程およびエンジニア研修のための数百の奨学金も提供しています。
2023年11月に福岡で開催されたハノイフェスティバルに、ヴー・チ・マイ総領事、福岡県知事、ハノイ市の代表らがブースを訪問した。(出典:TLSベトナム福岡) |
毎年旧正月になると、総領事館は在福岡ベトナム協会と共催し、祖国春節祭を開催し、数千人の参加者を集めています。日本の街中を賑やかに彩るベトナムの太鼓の音、桜の下で彩られたアオザイ姿は、日本人コミュニティや友人たちにベトナムの旧正月の雰囲気を届けます。
特に、2024年の祖国春節では、1,000人を超えるベトナム人と日本人がベトナムのアオザイを着て、福岡中央公園でベトナムの地図を作り、一緒にベトナム国歌を歌いました。言葉では言い表せないほどの誇りの涙を流す姿を見ました。徹夜や雨に濡れるなど、大変な苦労もありましたが、参加者の明るい笑顔と温かい握手によって、私たちの努力は報われたと実感しました。
市民保護 – 眠れない夜
私が最も情熱を注いでいる業務分野の一つは、国民保護です。過去2年間、総領事館は国民の法律、労働、教育に関する案件を500件以上取り扱ってきました。深夜に電話が鳴り、ベトナム人労働者が困っている、ベトナム人が犯罪を犯しているという通報がありました。TLSQの職員はすぐに地元警察と親会社に連絡し、状況を把握し、国民の権利を確保しました。
厳しい冬の真っ只中、総領事館職員と協会のリーダーたちは、地震の震源地まで数千キロも旅し、ベトナム人コミュニティや避難所にいる地元住民と面会し、励まし合い、生活必需品を届けました。8月の嵐の中、雨の降る午後には、書類手続きに困っていた若い観光客のグループを支援するために福岡警察本部を訪れました。
福岡で開催された2024年祖国春節に出席した代表団。(出典:TLSベトナム in 福岡) |
しかし、領事館員が結婚祝いとして無料で書類の翻訳を手伝ってくれたときや、遠方から来た労働者が勤務時間外にもかかわらず書類作成に来たときに温かく迎えられたとき、事故で絶望の淵から戻ってきた人々から心からの感謝のメッセージが届いたとき、詐欺に遭った学生が保護されたとき、長期間の搾取の後に労働者が正当な権利を取り戻すよう支援されたときなど、心温まる瞬間もたくさんありました。
手書きの手紙、涙ぐんだ瞳、あるいは「総領事館様、私たちを見捨てずにいてくれてありがとうございます」という一言。どれも貴重な励ましとなり、国民保護活動の道を着実に歩み続ける力となります。時に最も重要なのは、大きな合意ではなく、国民への迅速かつ人道的な支援と保護です。それもまた、外交官の静かな喜びです。
総領事館の代表者、協会、企業、団体、慈善家、そしてベトナム人コミュニティは、石川県の地震被災地の日本人を支援するために寄付を行いました。(出典:在福岡ベトナム総領事館) |
永続的なつながりの拠点
2022年から2025年の任期は終わりを迎えますが、福岡は私の心の中に永遠に残ります。ベトナムと日本の関係強化、そして世界中の友人たちの心に文化の「種」を蒔くことに、私たちが少しでも貢献できたことを誇りに思います。
日本政府と国民の皆様に深く感謝申し上げます。また、ベトナムと日本の両省庁の心からのご支援、そして何よりも、私を温かく見守ってくださった福岡、九州、沖縄、そして中部、南部のベトナム人コミュニティの皆様に深く感謝申し上げます。一人ひとり、そしてそれぞれの物語が、この任期という意義深い物語を形作るパズルのピースなのです。
外交は理性と責任だけでなく、神聖な愛と不断の献身にも基づいています。私が働く美しい街、福岡は、私の情熱と思い出の多くを託す場所であり、いつまでも深い印象を残すでしょう。
出典: https://baoquocte.vn/fukuoka-noi-trai-tim-o-lai-323901.html
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