水を飲み、その水源を思い出すというのは、比喩的な意味での感謝を表す慣用句ですが、「水を飲む」という行為は、文字通り人間にとって生物学的に近いものであり、誰にとっても毎日起こることです。したがって、感謝の気持ちはカレンダーに記された祝日にだけ起こるものではなく、定期的に思い出す必要があるのです。
78年前、7月27日は戦傷病者と殉職者を追悼する日として選ばれました。しかし、追悼は一回きりの行事でも、特定の祝日に限ったものでもありません。だからこそ、映画、 音楽、文学といった力強い芸術媒体こそが、戦争の記憶を現代に生き続けさせるための手段となる必要があるのです。つい数日前の7月23日午後、ハノイで映画『レッド・レイン』が、8月22日の劇場公開を前に「ショーケース」(映画プロジェクトを宣伝するためのイベント)という形で公開されました。
『レッド・レイン』は、作家チュー・ライの同名小説を原作とした、クアンチ城塞を舞台にした81日間の戦争を描いた悲劇的な物語です。上映中のオープニング上映では、映画の看板に「血と骨が流され、大地と空は記憶に残る!」という一文が掲げられました。劇場公開はまだされていませんが、クアンチのタックハン川沿いのスタジオで撮影されたこと、そして脚本、監督、俳優陣の尽力などから、革命戦争をテーマにしているにもかかわらず、興行収入が急増すると予想されていました。数ヶ月前、南部解放・祖国統一50周年を記念して公開された映画『トンネルズ』もまさにその通りで、予想外の観客を集め、さらに驚くべきことに、観客の多くは若者、特に若い世代でした。
長らく、革命戦争を描いた映画は、しばしば描写的でプロパガンダ色が強く、映画らしさが薄れ、「記念」的な精神と結び付けられることさえありました。しかし今、「感謝」をテーマとした作品は、より映画的で現代的な物語の語り口を生み出し、登場人物の深みに焦点を当て、喪失や悲劇を避けることなく、不屈の精神と革命精神を保っています。『トンネルズ』は、抗日戦争中の伝説的なクチトンネルに着想を得た作品で、人民戦争の奇跡を再現するだけでなく、心理的な深みと人間の状態を巧みに描き出すことで、非常に説得力のある作品となっています。特筆すべきは、『トンネルズ』が興行収入の熱狂を生み出したことです。これは、過去数十年間の革命戦争映画では非常に稀なことでした。この映画を観に来た若者たちは、質の高い映画を楽しむためだけでなく、今日の平和のために犠牲を払った父や兄弟の世代への感謝の気持ちを表し、 平和の物語を書き続けるために自分たちが何をすべきかを知っています。トンネルの次はレッド・レイン。昨日亡くなった人々への感謝の気持ちを同じように伝え続けます。
犠牲。まさに今、まさにそれが起こっています。数万人の兵士が、昨年の災害後、ランヌ(ラオカイ)で何ヶ月もかけて人々を救い、新しい村を建てたように、ゲアン省西部の被災地へ駆けつけ、人々を救っています。もしかしたら、いつか映画が、今日が昨日を語るように、今日を語る日が来るかもしれません。前述のような映画作品は、私たちに感謝の気持ちを思い起こさせるだけではありません。感謝とは、過去を振り返ることだけでなく、生き続けること、亡くなった人々にふさわしい生き方をすることだからです。そして7月27日は、祖国のために犠牲になった人々を偲ぶだけでなく、国家が歴史とどのように向き合ってきたかを振り返る日となり、そしてこれからもそうあり続けるでしょう。祖国を偲ぶのは、花を供えることや儀式だけではありません。イベントだけで終わってしまうと、時とともに薄れてしまうからです。しかし、感謝の気持ちが生きた文化の一部となるなら、それは国家独自のアイデンティティとして長く生き続けるでしょう。
出典: https://www.sggp.org.vn/khi-tri-an-tro-thanh-mot-dong-chay-van-hoa-post805640.html
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