イラスト(AI)
小学校1年生になる準備をしていた日のことを、今でもはっきりと覚えています。母はガタガタの自転車を苦労して漕ぎ、地区の市場まで行きました。家から地区の市場までの未舗装の道は、大小さまざまな小石が散らばっていて、凸凹していました。自転車が通るたびに土埃が舞い上がり、母のズボンの裾やシャツの裾にこびりついていました。
時々、自転車は小さな水たまりにはまり込み、車輪が空転したまま動かなくなる。母は足を踏み込み、力一杯に押して自転車を押した。家に帰ると、真新しい制服に着替えた。きちんとアイロンをかけた白いシャツ、膝丈のズボン、そして白いスニーカーだ。
その夜、私と友達は眠れなかった。日中は走り回って遊んで疲れ果てていたのに、夜の興奮が眠気を吹き飛ばしてくれた。路地の突き当たりで待ち合わせをして、黄色い街灯の下に集まって座り、それぞれが思い思いに初登校の日を想像しながら、賑やかに語り合った。
子どもたちは服や本を見せびらかし続けた。白いシャツは真新しく、平らで、まだ新しい布の匂いが残っていた。青いランドセルはピカピカだった。私たちはそれを丁寧に持ち、ラベルもまだ付いたままの真新しい教科書のページを一枚ずつ丁寧に撫でた。
先生はどんなことを教えるのだろう、授業はどんな感じだろう、新しい友達はたくさんできるだろうか、と順番に予想しました。喜びと期待が広がり、夜の冷たさも吹き飛びました。きらめく夜空は、私たちが初めて生徒と呼ばれる学校へ戻る瞬間まで、私たちと一緒にカウントダウンを続けているようでした。
早朝、まだ肌寒い空気と、秋の雨の夜を過ぎた湿った土の匂いが空気中に漂う頃、小さな通りはいつもより賑やかだった。真新しいリュックサックを手に取り、門を出た途端、辺り一面がいつになく賑やかになっているのが目に飛び込んできた。笑い声、本を積んだ自転車の音、慌ただしい足音…すべてが混ざり合い、賑やかで色彩豊かな新学期の光景を描き出していた。
母は私に、いい子にして、泣かないで、みんなと仲良くして、とたくさん言ってくれました。でも、どんなに準備をしても、初めて教室に入った時は、まるで全く違う世界に入ってしまったような戸惑いを隠せませんでした。
学校は色とりどりの旗や紙の花で華やかに飾られていました。緑の木々に覆われた古い校舎の屋根が、新世代の生徒たちを迎え入れました。校太鼓の音、保護者の拍手、生徒たちの歓声が混ざり合い、喜びと希望に満ちた歌を奏でました。
そこに立ち尽くし、まるで驚きに満ちた新しい世界に足を踏み入れたような気持ちでした。今、新しい制服を着て、大きなリュックを背負い、少し恥ずかしそうにしながらも喜びに輝く瞳の娘を見ると、あの頃の不安や小さな驚きを、まるで昨日のことのように思い出します。新たな始まりを迎える準備をしながら。
母はよく、あなたが小学校に入学した日は私たち二人にとって大切な節目だと言っていました。あなたが自立し、自分の道を歩み始めた日だったのです。私はずっとあなたの手を握り、一歩一歩守ることはできませんが、いつもそばにいて、一歩一歩あなたを見守ります。
教室に立って外を眺めていると、母が校庭に立って手を振って別れを告げているのが見えました。その時、母が心配と誇りを感じているのが分かりました。そして、これからどんな道が待ち受けていようとも、母の愛が何よりの支えになるだろうと確信しました。
幼い娘も、いよいよ大きな世界へと踏み出す時を迎えた。初めて先生や友達に会う時、戸惑い、不安になるのは私と同じだろうか。そんな感情は、母になった私が、大人の門を叩き、娘の新たな旅立ちを見守った時に、母と私が共に経験した流れの延長線上にあるのだと、私は思う。
何年経っても、新学期は誰の心にも特別な時期であり、学生時代の純粋な思い出を思い出させ、忘れられない感情を甦らせてくれます。
リン・チャウ
出典: https://baolongan.vn/ky-uc-mua-tuu-truong-a201135.html
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